タグ別アーカイブ: 山部赤人

山部宿祢明人詠春鴬歌一首

山部宿祢明人詠春鴬歌一首

あしひきの山谷越えて野づかさに今は鳴くらむ鴬の声

右年月所處未得詳審 但随聞之時記載於茲

私の師と仰ぐ山部赤人殿の作品だ。思いもかけず、こうやって伝え聞いて、埋もれていた彼の歌を掘り起こすことができて幸運この上ない。題詞に「明人」とあるのは、本当ならば「赤人」と訂正するべきではあったが、元になった資料を尊重してそのままにしておいた。私の父「旅人」も資料によっては「淡人」となっていたり、あの藤原不比等様も「史」と書かれることがあったりで、私どもの時代においては余り気にすることではない。それにしても、この歌は本来、こんな場所に記録しておくべきものではなかった。きちんと時代順に整理された巻の十六までのどこか・・・そうだな、巻の三か六か八のどこかに入れるべきではあったが、なにせ伝え聞いたのがつい最近のことだ。私の歌巻(万葉集)はほとんどその整理が終わっていて、ちょっと手を加えて何処かに挿入というわけにはいかなかった・・・ということで、少々不体裁ながらここに並べおいた。数種、鳥についての歌が並んでいたので、「まあ並べておくのならここか。」ぐらいの感覚だ。歌の中の「野づかさ」とは私も余りききなれないことばだが、どうやら「野の小高くなっている部分」のことをいうらしい。