怨鴬晩哢歌一首
鴬は 今は鳴かむと 片待てば 霞たなびき 月は経につつ
二月の初めから、ほぼ二旬にわたった越中国内の巡行も終わり、ようやく国守の館にたどり着いた。二月も、もはや幾日かを残すのみ。春の気配は今ぞ盛りぞ…といった具合か。ここまで春の気配が濃厚になってきたならば、鶯の一声があってもしかるべきなのになかなかその声を聴くことはできない。
思えば昨年初夏、私は郭公鳥を声を待ち焦がれ何首も歌を詠んだ。その時もなかなか鳴かない郭公鳥にしびれを切らせていたが、鶯もまたこの越中ではなかなか泣き始めない。同じ大和の国だというのに・・・・その気候の違いにはあらためて驚かされるものだ。