鳳至郡渡饒石川之時作歌一首

鳳至(フゲシ)郡渡饒石(ニギシ)川之時作歌一首

妹に逢はず 久しくなりぬ 饒石川 清き瀬ごとに 水占(ミナウラ)延(ハ)へてな

熊来からは馬に乗り、藤の瀬・古江・富来と辿ってこの饒石川までやってきた。本当に地の果てまでやってきたとの感慨がしてならない。岩山が海から立ち上がるように岸壁をなす荒涼とした・・・こんな地形は今まで目にすることがなかった。こんなうら寂しい光景に触れ、都に残してきた妻のことがついつい思い出されてしまった。水占とは、他にあんまりする方はいらっしゃらぬが、流れる水の上に呪物を浮かべ、その流れ具合によって事の可否を占うものである。もちろんここでは今度いつ妻に会えるのか・・・そんなことを占ってみたのである。もちろん、この占いをするためには清らかな流れが必要なことは言うまでもない。

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