新川郡渡延槻河時作歌一首

新川郡渡延槻河時作歌一首

立山の 雪し消(ク)らしも 延槻(ハヒツキ)の 川の渡り瀬 鐙(アブミ)漬かすも

婦負(メヒ)川からさらに東へと向かい延槻川までやってきた。立山連峰の一つ剣岳をその源とするこの川は、平成の御代には少々なまって早月(ハヤツキ)川と呼んでいると聞く。この越中の国でもことに流れの速い川であることで有名だ。

あまりに速いその流れの瀬を渡ろうとしたときに不本意にも鐙を濡らしてしまった。大和にはこんな流れの速い・・・そして清らかな流れを見たことはなかった。まだ風の冷たき季節で、もちろん水も冷たかったのだが、変に爽快な心躍る気持ちになってしまった。雪消にはまだ早い季節のようには思うが、この水の量、そして水の冷たさは・・・私には雪消の水に思えて仕方なかった。そして、この豊かな水流は、この地の豊かな実りを保証しているに違いない。

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